幻冬舎に挑むファンドの正体、黒幕は日本人?

 幻冬舎の経営陣による株式買収(MBO)で、投資ファンドのイザベル・リミテッドの同社の保有比率が26.10%、議決権ベースでは34.23%に上昇したことが、大量保有報告書によってわかった。突如横ヤリを入れてきたイザベル・リミテッドとは何者なのか。そして、目的は何なのか。

 イザベルの代表者はヴィジャヤバラン・ムルゲス氏、オジェというケイマン籍のファンド会社に所属。また、他にマネージド・アカウント・インベストメンツというファンドの共同代表者にも名を連ねて、日本株を物色し始めている。

 大量保有報告書の中には、イザベルは他に手掛けている案件は見つからず、幻冬舎案件のために設立されたといってもいいのかもしれない。

 また、不可解なことにオフショアの投資ファンドはゴールドマンサックスなどを使って取引することが多いのだが、なぜか、村上ファンドなど国内の機関投資家がよく使う立花証券でディールを行った。その辺りから、日本人の黒幕がいるのでは、という疑念さえ出てくる。

 現在、幻冬舎の株価は26万円以上で推移しており、幻冬舎側が引き上げたTOB価格の24万8300円を上回っている。しかも、議決権ベースで3分の1超を握られてしまい、重要案件の否決などが可能となる。

 戦いは、嫌が上にもがぜん、熱を帯びてくる。

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