日本ハムは斎藤祐樹投手で元を取れるか

 早稲田大の斎藤佑樹投手の北海道日本ハムファイターズ入団が決定し、それだけで経済効果は約58億円と算出された。一個人の入団だけで経済効果算出は異例のことで、入団するだけで親会社の株価は値上がりするなどのフィーバーぶり。だが、同球団には『3年定年制』が存在するが、もしも選手として芽が出なくても、球団は元を取れるのか。

 プロ野球で選手一個人の入団だけで経済効果が試算されるのはきわめて異例。北海道未来総合研究所の試算によると、北海道内の経済効果は年間58億円。内訳は、斎藤投手が出場すると観客が約46万人来場し、そして消費する金額が約34億円の波及効果を生むと試算している。

 斎藤投手の契約金は1億円プラス出来高5000万円、年俸1500万円。これだけを回収するならば、オープン戦で2、3試合、札幌ドームで登板するだけでも十分なのではないか。

 最大のリスクはスポーツ選手だけに、ケガ、さらには芽が出ず2軍でくすぶることだ。日本ハムには、プロ野球選手として一人前になれるかどうかという基準を3年としている。関係者によると、その方が社会人として再スタートをしやすいためだという。特に大卒ともなれば、何年も引っ張る方が残酷だ。

 ただ、斎藤投手は高校、大学と7年間も大舞台で投げ続け、大きなケガをしないタフさ、さらには、首脳陣やチームメイト、さらには報道陣をも懐柔する気配り上手さ、つまり、一流の処世術も持つ。まさに、選手として長生きする要素は「持ってるな」。3年後もユニフォームを着ていることだろう。

 球団、親会社ともに戦力以上に営業面でも、これほど貢献してくれる選手の存在はありがたいかぎりだろう。


日本ハムの株価(出典:ヤフーファイナンス)

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