1億円の投資で年1300万円のリターンを生むビジネス

 世界の航空機を扱う日本で唯一の独立系航空機商社である「ITCアエロスペース」と、航空機リースを行う「ITCリーシング」。この2社を経営するのが、伊藤忠商事で航空機の輸入販売を担当し、後にITCを創業した中山智夫氏。中山氏は「ジェット機リースビジネスは、1億円の投資で、平均で年1300万円のリターンを生み出す」と述べている。

 中山氏は著書『魔法のランプの磨き方』(幻冬舎)の中で、航空機ビジネスの成功物語を紹介。その中で航空業界のリースビジネスのからくりを詳しく解説している。

 それによると、「多くの資本財の中で航空機が最も価値の減価が少なく、リース期間中の収益性が高い」という。航空機は大惨事を避けるために、航空会社は常に国際基準に則って大変厳しい点検・整備を日々おこなっている。

 たとえばボーイング737―800の場合、日常点検費用とは別に、定期的な重整備費用として年間337万ドル、3年で1000万ドルかかる。それだけの費用をかけて常に新品同様にし、耐空性能を維持している。この費用はすべて航空会社の負担で、こうした厳格な整備を行うことで、安定した航空機の中古市場が確立されている。

 一方、リースについては、たとえば2001年製ボーイング737-800の機体価格は現在3000万ドル程度。それに5年リースを組み、月額30万ドル、60か月で1800万ドルのリース料金を受け取り、同時に査定価格2034万ドル(英国ASCEND社などの査定)で転売したとすると、5年間の利回りは27.8%となる。

 これは最も利回りの高いケースで、平均するとおおよそ13%。1億円の投資で年1300万円のリターン、というケースが標準的。また、航空機は海外資産となるので、消費税と固定資産税がかからないのも大きなメリットだという。

よかったらシェアしてね!
目次
閉じる