幻冬舎MBO、敵はイザベルではなく立花証券?

 経営陣による株式買収(MBO)で株式非公開化を目指す、幻冬舎は3日、ケイマン籍の投資ファンド、イザベル・リミテッドではなく立花証券が主要株主だった事実を確認した、と発表した。1月7日時点の株主名簿による。

 昨年のMBO発表以降、立花証券経由でイザベルが幻冬舎株を猛烈な勢いで取得。議決権ベースで35.44%を取得する第2位の株主に躍り出て、3分の1以上を保有するために重要案件の否決権を持つはずだった。

 イザベルは信用取引で取得し、幻冬舎の現物株は立花証券の担保となっているとおそらく見られる。だが、名義をイザベルに変更する気配もなく、2月15日の臨時株主総会を迎えようとしている。

 幻冬舎が立花証券に確認したところ、第三者の議決権を行使することはない、との意思だったという。

 このままならば、1株当たり24万8300円で幻冬舎に買い取られることになる。だが、イザベルは年初来高値の35万円近辺で買った場面もあると見られ、このままでは損失が出てしまう。

 2月3日時点の終値は27万6000円。何のための大量取得だったのか。

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