「すき家」強盗多発、対策すると赤字に転落?

 今月23、24日に神奈川県内で、牛丼チェーン「すき家」に相次いで強盗が入るなど相次いでいるが、昨今、すき家ばかりがターゲットにされる事件が数多く起きているが、なぜすき家ばかりが狙われるのか、今一度考えてみることにした。

 2010年の年間の強盗覚知件数は、業界ビッグ3では、すき家57件、吉野家0件、松屋0件となっている(産経新聞)。もうこの数字を見たところで、強盗が完全にすき家だけを狙っているとしか思えない。

 かつて、牛丼チェーンのアルバイト経験者から、こんな話を聞かされたことがある。

 「吉野家で働いて、なぜ券売機じゃないのか不思議に思ったけど、それはお客さんに帰り際に必ず『ありがとうございます』というためだと教えられた。もしも強盗が来ても、レジが複数あるから、お金を集めるには時間が掛るから、その間にもう一人のアルバイトが警察に通報すればいい」

 まさに、その通りで強盗の犯行はスピードが要求される。だが、集金に時間を掛けられないために、深夜1人体制で、しかもレジが1台しかないすき家を狙う強盗心理も判るような気もする(松屋はそもそも券売機)。

 では、2人体制にしてはどうか。だが、そうなると莫大な人件費が掛ってしまう。仮に深夜の午後11時~午前6時まで全国約1500店舗を2人体制にする。

 時給を1000円で計算すると、1店舗あたり年間で255万5000円の経費増額。さらに、これを全国約1500店で行うと、年間で総額約38億円の人件費がかさむことになる。

 平成22年3月期のゼンショーの純利益は35億円。人件費38億円を足すと赤字になってしまうのだ。

 経営か安全か、究極の選択になってしまう。あなたが経営者ならどちらを取るか?

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