高学歴の人ほど低血圧で長生きの傾向、米研究

 米ブラウン大学の研究チームが、高学歴の人ほど低血圧の傾向があるという研究結果を学術誌「BMC Public Health」で発表した。低血圧の人は脳梗塞や心不全など死に至る病気にかかるリスクが低くなるため、高学歴の方がより長生きできる可能性が高いという。また、男性より女性にその傾向がより顕著に認められた。

 ブラウン大学の公衆衛生学の准教授エリック・ラウクス(Eric Loucks)氏は、米国の有名な疫学研究「フラミンガム研究」に参加した人々の子供を対象にして実施した「フラミンガム子孫研究(Framingham Offspring Study)」の約4000人のデータを用いてこの調査を行った。フラミンガム研究とは1940年代から開始された、同地域に住む人々の健康状態を追跡調査した研究。

 ラウクス氏の調査によると、17年以上教育を受けた最終学歴が大学院の女性は、高校を中退した女性よりも、収縮期血圧(最高血圧)が平均3.26mmHg低いことが判明。また大学院へ進学しなかった大卒の女性は、高校中退の女性よりも平均2mmHg低かった。一方、大学院卒の男性は、高校中退の男性よりも平均2.26mmHg低かったという。

 この傾向は喫煙、飲酒、肥満、高血圧治療などの影響を踏まえても変わらず、大学院卒女性は平均2.86mmHg、男性は平均1.25mmHg低かった。

 ラウクス氏は「低学歴の女性は、高学歴の女性よりも(仕事上などで)より心理的に負担になることを経験します。母子家庭や父子家庭の割合も高く、貧困生活を送っている傾向があります」と語った。また公衆衛生向上のための未来の大きなポテンシャルの1つは教育であり、教育格差を縮めることが大切だと語った。

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