森ビル社長に創業家以外から辻副社長が昇格

 森ビルは8日、森稔社長(76)の後任社長に辻慎吾副社長(50)が昇格する人事を発表した。森社長は会長に就任する。創業家以外からは初の社長。6月の株主総会後の取締役会で決定。

 森氏の父は創業者の森泰吉郎氏で、弟は森トラスト社長の森章氏。父の跡を受けて社長に就任後は拡大路線として高層化を進め、東京で「六本木ヒルズ」など大規模開発を行った。また、国内だけにとどまらず、中国・上海に超高層オフィスビルを建設した。

 辻氏本人には1年半以上前に告げていたといい、森氏は後継者に望む条件として以下の3条件を挙げている。
・街づくりを通して社会に貢献する
・古い概念や困難な課題に立ち向かう強い意志と、新しいクリエイティビティを仕上げる遂行力を持つ
・マネジメント能力

 「辻君はこうした条件を自然にこなす力を備えており、森ビルの将来を託すに足る人物であると確信しております」と選んだ理由を説明した。

 また、初の外部からの昇格については「森ビルは社会的存在であり、わたしはその経営者は森家にこだわることはないとずっと思ってきました」と話した。


辻慎吾副社長

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