東電、保安院「想定外の津波」、2年前に指摘されていた

 東日本大震災が発生した今回の地震源内で、西暦869年に「貞観津波」と呼ばれる巨大な津波が起き内陸部まで深く浸水していた事実が2009年に指摘されていたが、経済産業省原子力安全・保安院と、東京電力は特に取り合わなかった。今回の原発事故の根本原因とされる「津波」への認識の甘さが問われても仕方がない。

 2009年6月に行われた、総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会で、岡村行信・産業技術総合研究所活断層研究センター所長が指摘。宮城県から福島県にかけて広範囲で、貞観津波が押し寄せたことを追求したものの、聞き入れられていない。

 東電の津波の高さの想定約5メートル。だが、実際には堆積物が内陸部に数キロ溜まっていたという記録からも想定は低く見積もっている、とも取られかねない。

 また調査によれば、貞観津波はその約400年前にも起きたとされており、400~800年に1度は起きる周期性のあるものだということが予測できる。

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