大富豪のビン・ラーディン一家

 米国諜報機関に殺害され死亡が確認されたウサマ・ビンラーディン氏。国際テロ組織アルカーイダの指導者である一方で、父の代からサウジアラビアの公共事業で財を成した実業家で大富豪としても知られる。

 サウジ王家のサウード家の信頼を得て、道路をはじめとした様々な公共施設を建設する、いわゆるスーパーゼネコンとしてその名前を広く知られている。自身の父親がイエメン共和国の出身ながら、肉体労働者から身を起こして、サウード家に取り入り王族の国家事業を次々と受注していった。メッカのモスクの改修なども手掛けた。

 「ビン・ラーディン・グループ」は、サウジはもとより、中東、米国、欧州、アジアなど多くの子会社を持つまでにいたり、建設だけでなく、石油関連、通信、不動産など様々な事業を展開し、資産は50億ドル以上とも言われる。

 宿敵ブッシュ前大統領のブッシュ家の石油会社に役員を出すなどかつては、蜜月の時代もあったと言われる。ただ、自身は反米活動に傾倒し、次第に米、サウジなどとの溝を深めていくことになる。2001年の米同時多発テロ以降は、サウジアラビアも入国禁止とされていた。

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