写真で届ける世界遺産(フランスその1、城壁都市カルカッソンヌ)

 ヨーロッパで最大の城塞が残るカルカッソンヌは、フランスでは有数の人気観光地で、「カルカッソンヌを見ずして死ぬな」という格言もありますが、パリから遠いので、日本人には馴染みが薄い。

 写真はカルカッソンヌの城塞の入口、ナルボンヌ門。



 パリからどれ程、遠かったかというと、パリからトゥールーズまで飛行機で1時間20分、空港から、トゥールーズのマタビオ駅までバスで20分、マタビオ駅からカルカッソンヌ駅まではTGV(フランス高速列車)で45分。カルカッソンヌ駅からタクシーで城塞の入口、ナルボンヌ門まで15分、タクシーを降り、ホテルの車に迎えにきてもらい、ホテルまで10分。(城内の道は狭く、一般車は入れないので、小さい車に乗換える)(ホテルまで歩くことも可能だが、デコボコの石畳なのでスーツケースを引っ張りながら歩くのはかなり苦労する)
 筆者は成田から出発してるので、ここまで22時間かかりました。

 さあ、城内の観光です。写真はナルボンヌ門の近くで、右側が内壁(13世紀)、左側が外壁(3・4世紀)で、城壁は二重になっています。これを攻め落とすのは大変なことでしょう。



 サン・ナゼール大聖堂に着きました。外廊はロマネスク様式なのに、中に入ったら内陣はゴシック様式でした。


 内陣奥のステンドグラスは見事です。


 全長3キロ城壁なので、歩いて廻ることもできるのですが、これを見つけてしまうと、楽をしたくなります。1周が7ユーロのプチ・トランです。


 プチ・トランから撮った外壁の写真です。


 城壁には所々に52の塔があります。

 カルカッソンヌは地中海とイベリア半島を結ぶ交通の要衝であり、11世紀から13世紀が絶頂期。17世紀半ばに、ピレネー条約でスペインとの国境が定まり、要塞としても意味を失ってから、衰退するが、19世紀に、その歴史的価値が認められ、ここまで復旧しました。


 プチ・トランの次に城壁の上を歩くことに。受付場所がナルボンヌ門とコンタル城の2カ所あり、ナルボンヌ門の入場受付に18時40分に行くと、入場は18時30分で終了との説明。受付で、つい自然に口から出てしまった言葉が「が~~ん」フランス語でも英語でもない、この一言がうけたみたいで、「が~~ん」の意味はと聞かれ、「OH MY GOD」と「NO WAY」を足し算した日本語が「が~~ん」なんて説明してたら、受付のお嬢さんが上司に相談して、特別に入れてくれた。

 そして、そのお嬢さんが出口までガイドしてくれることに。同じフランスでも、地方に来ると親切な人が多い。本当にありがとうございます。写真は案内しながら前を歩くお嬢さん。下から見る景色と、城壁の上からでは景色が違います。



 写真は城壁の上からから見えるカルカッソンヌの街ですが、遠くに見える山はピレネー山脈だそうです。訪問したのは5月11日でしたが、19時でもこの明るさ。。


 日が沈んだのは21時で、城壁内のレストランもこの時間から賑やかになってきます。



 ローマ時代の城壁に浮かぶ月です。悠久の別世界でした。

 翌朝も街を散歩して午後にはカルカッソンヌを後にしました。カルカッソンヌの殆どのホテルは城壁の外ですが、観光や食事に便利なのはやはり城壁の中です。
「カルカッソンヌを見ずして死ぬな」
「ナポリを見てから死ね」
「日光を見ずに結構と言うな」

 色んな格言がありますが、カルカッソンヌだけは本当に見て良かった。ちなみに、カルカッソンヌの世界遺産への指定は1997年でした。

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