フィンランド携帯メーカー大手ノキアは、高級携帯端末機「VERTU(ヴァーチュ)」の日本からの撤退を発表した。
ノキアは08年から日本市場での携帯電話の供給をストップしており、携帯部門の実質的な撤退だった。全事業の撤退ではないが、VERTUの部門が撤退することになった。
VERTUは8月いっぱいでサービスを終了する。ラグジュアリー携帯電話の走りとして、名前は知れ渡った。ボディにジュエリー類などを使用し、中には1000万円を超えるモデルも存在していた。
また、コンシェルジュサービスも付随しており、日本の富裕層市場への浸透を図ったが失敗に終わった。世の中はスマートフォン全盛になっていたのだが、VERTUはそうした危機感もあったのだろうか、昨年秋にはスマフォ版を発売するなど巻き返しに打って出ていた。
純金融資産1億円以上の富裕層限定プライベートクラブ「YUCASEE(ゆかし)」の調査でも、会員の50.4%がスマートフォンを保有。23.4%は現在保有していないが、今後買い替える意向があると回答している。
また、富裕層の声としては「そんな高いものをいつも持ち歩くのは、怖い」「いつも使うものにそんなにお金をかけてももったいない」など否定的なものばかり。
実際に持っている人は寡聞にして知らない。「プレゼントだろう」「転売ということも聞いたことがある」など、使用とは別の用途を口にする人もいる。
結局、電話は宝飾品ではなく電話なのだ。