写真で届ける世界遺産(フランスその4、ボルドー「月の港」)

 パリからボルドーは飛行機で1時間20分。ボルドーはフランスの南西部に位置するガロンヌ河畔の港町です。ここで川が三日月形にカーブすることから「月の港」とよばれます。

 写真はボルドーのブルス広場からの、ガロンヌ川の眺めで手前から下流に向かい三日月形をえがいています。


 このブルス広場には、平らな敷石があり、その隙間から水が湧き出て、「水の鏡」をつくります。


 水の鏡には夕方になると建物や景色が映り、美しい景色になりますが、昼間はあまり映りません。ボルドーはローマ時代から交易の中心地であり、12世紀以降はワインの積み出し港として栄えました。

 世界遺産に指定されたのは市街区域の1820ヘクタールで、これは18~19世紀の都市計画によって生まれた調和のある街並みと、近年のガロンヌ河岸再開発が評価されたものです。

 写真は均整のとれたボルドーの建物と、水の鏡で遊ぶ男の子。


 サンタンドレ大聖堂にやってきました。11世紀に建造が始まったゴシック建築の大聖堂で、サンティアゴ・デ・コンポステラの巡礼路のモニュメントにも指定されています。


 北側の「王の門」のタンパン(入口上部の半円形の部分)に施された「最後の審判」の彫刻は、1250年のもので、フランス・ゴシックの最高傑作と評価が高いものです。



 ボルドーは12世紀から15世紀にかけての300年間はイギリス領でしたが、イギリスがフランスワインの最大の市場となり、貿易の中心地ボルドーに富をもたらしました。

 大聖堂は豪華に造られており、内陣奥のステンドグラスも見事でした。


 サンタンドレ大聖堂を後にして、カンコンス広場にやってきました。街中の移動は全てトラムですが、1回は1.8ユーロ。そして一日乗り放題のチケットが4.1ユーロなので、1日券が便利です。

 トラムの上には架線がありません。説明が難しいのですが、軌道中央に8メートルごとのセグメントで区切ったレールがあり、電車の真下のセクションに通電する仕組みだそうです。トラムのカラーはブルーで、精悍だけど、ちょっと可愛いデザインです。


 ボルドーは夕方になると人々がガロンヌ川に近い旧市街や、大劇場に近い繁華街に集まってきます。中でも一番の中心地、大劇場にも明かりが灯りました。


 大劇場の真ん前がリージェント・グランド・ホテルですが、毎晩この左側のレストランで食事をしてました。


 ここボルドーではフランス語のメニューしかない店が多く、あってもフランス語とスペイン語とかで、英語メニューは殆どありません。

 しかし、ここはボルドーきっての繁華街なので、どのレストランも英語のメニューが完備していました。

 ワインは、さすがボルドー!、最高の美味しさと安さです。そして、ロブスターとアスパラガスの前菜は食が進みます。



 食後の散歩ですが、ガロンヌ川の景色も夜になると変わります。水の鏡では、まだ女の子達が遊んでいました。背景の輝きはライトアップされたピエール橋です。


 この写真が今回のボルドーで、一番印象に残る写真となりました。ボルドーの街の美しさは昼でも、夜でも変わりません。


 ボルドーは観光だけなら2日から3日、もしあなたがワイン好きなら4日から5日は必要でしょう。何故なら昼も、夜も、街は綺麗で、活気があり、昼も、夜も食事が美味しいからです。

 ボルドー「月の港」は2007年に世界遺産に指定されました。

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