写真で届ける世界遺産(フランスその7、ナンシー)

 ナンシーはパリ東駅からTGV(フランス高速列車)で1時間30分。13世紀からロレーヌ帝国の首都として栄え、18世紀半ばに大規模な都市改造で近代都市に生まれ変わりました。

 駅を出て左にあるスタニスラス門をくぐって、世界遺産に登録された3つの広場に向かいます。



 10分程歩くとスタニスラス広場が見えてきます。ロココ芸術の傑作を配した大広場の完成は1755年。中央の像はスタニスラス王ですが、革命以前はルイ15世の像だったそうです。


 ナンシー生まれの建築家エマニュエル・エレが設計し、金工芸家のジャム・ラムーレが装飾を施した黄金色の鉄門です。


 街灯の1本、1本にまで、優美なロココ装飾が施されています。


 貝殻のような曲線に金色の塗装を施したロココ装飾は、当時ヨーロッパ貴族の間で流行しましたが、その最たるものがこのネプチューン門の装飾と言われています。


 次に2つ目の広場である、アリアンス広場にやってきました。ここには黄金色の装飾品はなく、ちょっと拍子抜けしますが、中央にはロココ彫刻の噴水がありました。


 再びスタニスラス広場に戻り、3つ目の広場であるカリエール広場に向かいます。
美しい建物の正面に見えるのが凱旋門。


 カリエール広場にはロココ様式の門があり、奥にプチ・トラン、さらにその奥にはロレーヌ博物館が見えます。


 門の装飾をアップで撮ってみました。門が黒に近い鉄骨細工で、さらに黄金の装飾が施され、両方の色と形が見事に調和して、豪華さと美しさを現しています。


 19世紀末に、ナンシーではロココ様式をさらに実用的に発展させたアール・ヌーヴォー様式が生み出されます。そういえばアール・ヌーヴォーを代表するガラス工芸家のエミール・ガレはナンシーの出身でした。

 3つの広場は近接してるので、ゆっくり歩いても1時間あれば見て廻れます。古き良き18世紀を感じながらの散歩が楽しめます。ナンシーの3つの広場は1983年に世界遺産に指定されました。

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