東京新聞を面白いという人が増えている

 「新聞がおもしろくない」という意見を多く聞くのだが、「東京新聞はおもしろい」という声も同時に聞く。一部のことだろうとも思っていたが、そうでもなかった。

 先日、河野太郎衆院議員が自身のブログで「僕のまわりで東京新聞に替えたという人が、国会議員を含めて結構いる」と書いていたのだ。

 特に調査報道を担当する特報面が読み応えがある。少し反原発色の傾向が強いものの、記者の取材の跡が見えてくるかのような紙面は評価が高い。

 東京新聞は中日新聞グループ。マスコミ界では、柔軟な人事異動でやりたい仕事をさせてくれる、と会社に愛着を持っている記者も多い。とかく、厳しい軍隊のような職場が多い中で、そうした自由な空気が、良い紙面づくりを生んでいるという声もある。

 「小さな失敗をガミガミとうるさくいう厳しい上司の下で働いていて、その上司を大嫌いでした。後に自分が希望の部署に行けたのですが、実はその上司が何度も頭を下げて頼んでくれていたことを後で知りました」(40代男性記者)という人情話も。

 また、ある全国紙では、名古屋に赴任した記者がよく中日グループにスカウトされてそのまま帰ってこないケースもあるそうだ。
 
 他社から移った30代記者は「上からこうしろ、という命令は、前の会社ほどありません。やりやすいので、かえっていい仕事ができる気がします」と話す。

 同社の媒体資料によると、朝刊は55万5278部、夕刊は25万552部となっている。各社が部数を減らしていく中で各社とも厳しい戦いを強いられているが、東京新聞の調査報道を充実させた紙面づくりは、一つの将来像を示しているようだ。

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