中国で続々と80年代生まれの女性富豪が生まれるわけ

ワハハ集団も
 少し前、中国で“女性富豪”というのはある意味で偏見の目で見られていた。しかし今、80年代以降生まれの若い女性富豪が次々に登場し、そうした目は薄れつつある。

 例えば、中国屈指の大富豪、飲料メーカー・ワハハ集団会長の宗慶後(そうけいご)氏には、一人娘宗馥莉(そうふくり)さんがいる。彼女は遅かれ速かれワハハ集団のトップに座るだろうと見られているが、先日メディアの取材に応じた際も、80億元の資産を彼女が管理していることや、ワハハ集団の海外進出の壮大な計画について詳しく語った。

 また、自動車メーカー重慶力帆集団会長、尹明善(いめいぜん)氏の娘、尹索薇(いさくび)さん(2番目の妻の子供)は、傘下にある多数の会社のトップとして働き、その実力は兄を越えるとされる。また、大手不動産、碧桂園集団の楊国強(ようこくきょう)氏の娘、楊恵妍(ようけいげん)さんも事業を引き継いで、2007年、当時26歳で中国トップの富豪となった。

 父親の事業を引き継ぐ形で、一気に中国有数の富豪になった女性は他にもまだいる。
中国のこうした背景には80年代以降の一人っ子政策の影響がある。中国では家族経営が基本で子供があとを継ぐ。例えそれが女の子でも、両親は後継ぎ教育をせざるを得ない。

 幼少から経営者として教育を施され、海外などで学んだ彼女たちは成長し、今仕事を任される年齢に達している。だが、彼女たちが家業を引き継いでいくのは容易なことではない。

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