「空売り規制は根拠なし」仏EDHEC

 フランス、イタリアなどの市場で空売り規制が行われているが、「理論的な裏付けがないだけでなく、また実証的な根拠に欠けている」と、フランスの名門ビジネススクールEDHECの下部組織イデーク・リスク・インスティチューションが12日批判する声明を発表した。

 事の発端は、米国の長期国債格付けが格下げされたことで、次はフランスだとの噂が出て、ソシエテ・ジェネラル、BNBパリバなどの金融株が大きく下落したことにある。

 EDHECは、「理論的な裏付けがないだけでなく、実証的な根拠にも欠けている。空売りの規制は流動性を減少させ、かえって市場を不安定なものにする」と決定を否定した。

 またEDHECのエックハート・ボマー教授の過去の研究事例では「空売り筋は株価決定において効率的で、重要な貢献をしている」としており、また、空売り筋は株価が戻る上昇局面においても、大きなリターンを得るために動いているということを指摘している。

 さらに、過去に空売り規制がなされた市場を研究した結果では、極端な下げ止まりの要因にはならなかったとして、規制の効果を疑問視している。空売り規制は、同時に買いの抑制にもつながりかねない。

 現在フランス、イタリア、スペイン、ベルギーのEU4カ国が実施しており、今後はトルコ、ギリシア、韓国などの各国にも広がりそうな動きを見せている。


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