「日立-三菱重工統合」日経1面報道それぞれの事情

 「日立-三菱重工経営統合」(日本経済新聞、8月4日付け朝刊)から1カ月になるが、「立ち消え」と言われるこのニュース。統合は消えたのか、そして、なぜ報道されてしまったのか。今年一番の衝撃ニュース? の裏側を現段階で整理しておく。

丸刈りも覚悟した他社担当者


日立製作所の本社が入るビル(東京・丸の内)
 今年に入って震災や大事件などをのぞけば、経済ニュースではひじょうにインパクトの大きい話が日経の1面に踊った。読者がすでに新聞を手にとっていた頃には、いや、正確には手に取る前に決着はついていたようだ。

 新聞各社が午前2時~3時の間に最終版の交換。「丸刈りを覚悟した」という担当記者もいるほどのネタだった。日立、三菱重工の両社の社長宅には早朝から担当記者が配置されて、この件では朝の6時ごろから出待ちをしていたという。

 「怒っていたようだった」(全国紙経済部記者)というのが三菱の大宮英明社長。一方で、「午後には発表する」と意気揚々? に車に乗り込んだのが日立の宏明社長だった。

 新聞記者の間ではこの時点ですでに早朝だが「これはないかもな」(同)という結論にほぼなったのだという。

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