空気を読まない日ハムが原家の夢を打ち砕いた

 プロ野球ドラフト会議が27日、東京都内で行われ、注目の巨人・原監督のおいにあたる菅野智之投手(22)=東海大=は、日本ハムが交渉権を獲得した。原監督は甥っ子のくじ引きで敗れたが、各球団ともに巨人に遠慮している面もあり、今年の日ハムの空気を読めない行動は注目に値する。

 昨年の巨人は、今年新人王当確の澤村拓一投手=中央大=を単独1位指名。これは中央大監督が元巨人の高橋善正氏という縁もあり、相思相愛関係が早くから築かれていたためか、他の球団は指名しなかった。それで、今年も目玉が原家出身の菅野投手で、巨人の息が掛った選手ばかりになってしまう。

 ただ、他のチームとしては遠慮しているばかりでは、プロとは言えない。空気を読まない球団があった方がファンにとっては面白くなる。

 ただし、強行指名をした見返りとして、「交渉決裂」「出入り禁止」などのダメージが出る恐れがある。特に出禁に関しては、延々と続くことがあるのだ。

 元巨人の桑田真澄氏が、早大進学を決めていたにかかわらず、巨人の指名で入団を決意。その後はどうなったか。PL学園-早大間での推薦ルートが消えた。さらにPL―巨人間での指名ルートも消えた。日ハムはそこまで覚悟した上での指名だと言える。

 こうしたことはよくある。ドラフトはハイリスクハイリターンでもあり、慎重に決断しなければならないのだ。

 ただ、最近はメジャーリーグ志向の選手もいるため、そういう考えの選手にとっての良いチームとはメジャー行きを許可してくれるところだ。

 菅野投手の志向はわからないものの、もしもメジャー志向があれば、巨人よりは日ハムの方が理解はあるだろう。現役メジャーリーガーU投手が移籍に苦労したのは、言うまでもない。

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