まだまだ低い日本人の投資意識
日本FP協会の調査(平成20年)によると、投資したくない理由は1位が「お金がない」、2位が「安全にしたい」、3位が「投資知識がない」となっている。
さらに年収1,000万円以上の人でも、1位が「安全にしたい」、2位が「投資知識がない」で、仮にお金があっても安全志向が強く、金融リテラシーも低い。同調査によると、今後保有したい資産は1位が国内株式(53%)、2位が外貨MMF(32%)、3位が株式投信(22%)と、投資対象は旧態前のまま。
今や死に体の日本株や、営業力だけ強い金融機関の、手数料稼ぎの道具に過ぎない投資信託に投資しても資産は増えない。
そもそもリスクのないところにリターンはない。元本保証で資産が増えるわけがない。ところが、金融広報中央委員会の家計統計(2010年)によると、金融商品を選ぶ基準の1位は「元本保証」で実に98%に達し、83%の人が「元本割れは絶対にいや」と回答している。
以下、2位「引き出しが楽」、3位「金融機関の信頼度」という回答も、金融商品の選別とはかけ離れたところで投資対象を決めている。救いは4位に「利回り」(13%)、5位に「値上がりに期待」(2%)が顔を出す程度。日本人はいまだに投資というものの本質を理解していないようだ。
しかし、日本人がもっぱら〝リスク嫌い〟だとは思えない。一方でFXがブームになっているのは、日本人が決してリスク嫌いではないことを示している。問題は長期で資産を育てるちゃんとした金融商品と、ちゃんとした金融知識が普及していないことだ。
正しくリスクをとらなければリターンはない。将来の公的年金はあてにならず、預貯金ではお金が増えない今、日本人はより正しい投資知識を身につけなければならない。それには投資先進国である欧米の投資家に学ぶところが大きい。彼らの肥えた目に適った、海外の投資ファンドなどの金融商品に投資するのも一つの選択肢だろう。