東京電力の19人の議員活動は「福利厚生」?

本店エリートと支店プロパー

 本店の幹部たちが「期待していない」と言ったことは、あくまで組合の物という考えがあるのかもしれない。それは、組織内議員の経歴を見れば明らかだが、ほとんどが最終学歴が高校卒で支店や支社に入社しているのだ。

 組合関係者によると、「主に組合活動に駆り出されるのは本店のエリートではなく、支店などのプロパー組です。議員はプロパー組のもう一つのキャリア。ただ、二重に報酬を受け取るのは、今のご時世は、それ自体が『福利厚生』と言われても仕方がないのでは」と話す。


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 東電はじめ電力会社はユニオンショップ制のため、入社イコール組合員となる。その中から専従者が選ばれて組合活動を行うのだが、そもそも、なぜ議員になるのかと言えば、電力総連の選挙幹部は「通常の組合活動だけでは実現できないこともありますので」と答える。

 また前出の組合関係者は「電力会社の場合、連合の中でも役割は大きく、なくてはならない存在で議員を出すことは求められます」と、選挙に出る理由を明かす。

 もちろん、全国には電力会社の議員はたくさんいる。組合活動や議員活動は正当な物だが、昨年3月の福島第一原発の事故が発生し、東電は現在、電力料金値上げを迫っている。さらに、他の電力各社も節電を要請するなどしているだけに、給与を支払って政治活動する議員を支えることに違和感を覚える国民は多いだろう。

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