4.6億円脱税で「ヒルズ族」から工場に戻った男

休みは月にたった1日

 「FXも今はやっていませんし、労働して地道に返すしかありません」と磯貝氏。働き者の雰囲気がする金属加工業の顔つきに変わっていたのだった。自身の会社とさらには、同業者が紹介してくれる現場でも働いているという。


磯貝氏の納税証明書(昨年10~12月)
 磯貝氏の事務所の壁に貼っているカレンダーに目をやる。2月は1日を除いてすべて仕事のスケジュールで埋まっていた。何と、月休1日で働いていたのだった。

 「北京五輪までは相場も良かったですね。例えば銅でも1キロ20円で仕入れて、50円で売れていましたから。今はボチボチです」

 金属相場は普通のようだが、仕事量は多いためにそれなりの売上は確保している。会社の売上は月約200万円に、紹介される仕事の月約50万円が加わり、月の総売上は250万円となる。そこから毎月100万円以上を返済に回しているのだという。

 現在の金額は2億円少々まで進んだ段階にある。かなり急ピッチで返済が進んでいるように思われるが、磯貝氏は「金額が減っていかないから、楽しいけど今はピンと来ないですね」と話す。

 工場の2階に約二畳分の寝泊りのスペースがあり、今もそこで寝泊りしているそうだ。仲間とパーティーをしたり、身体を伸ばして寝たり、そんな生活はない。

1 2 3
よかったらシェアしてね!
目次
閉じる