シャープ堺工場、最悪のタイミングで株主工場見学会

即席のミニ株主総会に

 「2月に発表しました業績予想では多大なご心配をおかけし、心からお詫び申し上げます」と陳謝。

 社長交代発表にも触れ、「新体制のもと、全社員が一丸となって経営改善策を着実に実行したいと思います」。“ミニ株主総会”のようだ。

 ビデオや模型をさんざん見せられてから、工場内へ。ガラス越しに見えるのは、60型テレビを切り出すことができる第10世代の液晶パネル製造ライン。ガラスパネル(大きさ畳5畳分)に薄い金属基盤(薄膜トランジスタ)を圧着させている。約4000億円を投じた最新鋭施設の心臓部。ラインはU字で片道250メートル。戦艦大和(263メートル)に匹敵する。

 ラインの中を巨大なロボットアームが動き、構内のレールの上を電車のような巨大な台車が何台も行き交い、巨大なガラスパネルの束を運んでいる。映画『スター・ウォーズ』に出てくる巨大戦艦内部のようだ。液晶の技術者だった片山社長にとって、まさに“世界征服”をねらう夢の旗艦施設だったのだ。

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