前代未聞のゴールドマン・サックス労働組合

日系と同じになりはしないか?


ゴールドマン・サックス・グループ本社(米NY)
 1869年、マーカス・ゴールドマンによって設立され、現在は投資銀行としての確固たる地位を築き上げたゴールドマン・サックス・グループ。入るだけでも超難関だとされ、超が付く高給取りもいれば、本人の意思とは関係なく会社を去る人もいる。生き残るだけでたいへんな世界でもある。

 アダム・リー氏は大学在学中にゴールドマンでインターン生を経験し、卒業後にそのまま入社したという。そして、アナリストとして働いてきたそうだが、年収などの条件や役職など個人を特定するような情報は明らかにしなかったが、30歳前後と仮定すれば、業界関係者は「1000数百万円から、2000万円くらいではないか?」という。

 ハイリスクゆえの高い報酬を受け取ることが可能なのだが、日本の労働基準法では、終身雇用が前提。ただ、そうした場合には日系金融とようにローリスクローリターンと差異がなくなってしまうことはないか。投資銀行業界の労使間の阿吽の呼吸が、日本だけ崩れかねない。

 「人間的な扱いを受けなかった」と主張するリー氏ら労組は今後、会社側と交渉の場を持ちたいとしている。前代未聞の対立となる今回の戦いは、メディアを通じて東京から海外にも発信され、注目を集めるまでになってしまった。

 交渉はどのような結果となるのか推移を見守ろう。

1 2
よかったらシェアしてね!
目次
閉じる