若手大量流出の東電、ついに「実力主義」導入

実力主義とともに人事異動も活発に

  


西澤俊夫社長
 電力業界ではあまり聞かない「実力主義」という言葉。福島第一原発の廃炉に向けて今後40年以上の長い道のりの中で、若い社員は必要不可欠。何としても人材の流出を避けたく、西澤俊夫社長は「先々の希望という問題がある。その懸念は持っているが、なるべくは避けたい」と心情を吐露した。

 だが、業界関係者は「実力主義、成果主義と言っても、具体的な内容はわからないですし、運用するのは年配の人です。しかも電力会社では、手続きや規制が多くて成果以前の問題ではないでしょうか」と指摘する。

 また、他にも人事政策としては、部門間の異動をこれからは積極的に行っていく、という目標も定めた。これまでは、本店の企画部、総務部の閥が役員への近道とされ、東京大学出身者らで占められた。支店の技術系社員たちよりも、「特権意識」「エリート意識」を持っているという。

 もっとも、こうしたエリート文系社員たちには、今さら転職が難しいという事情もある。いずれにせよ、そうした社内の派閥構造、学閥構造も変わっていくことができるのだろうか、疑問も残る。

 ただ、そんなことで若手の人材流出は止まるとは考えにくい。その理由は給与にある。

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