シャープ「鴻海ショック」で工場見学会は廃止に

昨年並みの2時間ちょっとで終了

 「私が在籍した岡山の関連子会社に、中国人の方が工場研修に来たとき、写メールをバシャバシャ撮って、それを誰も注意しなかった。技術部門の責任者も見ないふり。こういう体質こそ、シャープの無責任体質そのものだと思う」

 先端技術を扱う企業にあっては、信じがたい話だが、驚くことに「ご指摘の話は確かにありました」と江川龍太郎執行役員はあっさり認め、「情報管理については、入退室を含めてきちっと見直すよう進めている」と話した。

 別の株主は「中国人を相手にビジネスをやるには、甘い考えではいけない。庇を貸して、母屋を取られるということにならないように」と注文をつけた。


株主を送迎するバス
 株主がエキサイトした総会だったが、終わってみれば開催時間は2時間18分と昨年並み。出席数も昨年同様で約1800人だった。昨年は、会場誘導で不手際があり、高齢者からの不満が殺到。片山会長が「年配の方々を大切にするのはシャープの根本姿勢。来年は必ず」と約束しただけあり、今年は誘導スタッフを増員したらしく高齢者が迷ったり、長時間待たされたりすることなく、スムーズな運営となった。

 ところで、総会での「ご案内」が恒例になっていた堺工場の株主見学会だが、今回は案内そのものがなくなった。申し込み多数で、毎年競争率50倍にもなっていた見学会だが、同工場が鴻海との共同運営になったことからできなくなったらしい。もしかすると、工場見学会の廃止は、株主を最初に直撃した“鴻海ショック”かもしれない。

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