上場企業役員の2011年(3月期決算企業)の報酬がほぼ出そろい、有価証券報告書のデータを基に「YUCASEE MEDIA(ゆかしメディア)」がランキングを作成した。1位はカシオ計算機の創業4兄弟、故・樫尾俊雄氏で、13億3300万円だった。また、それとは別に配当も合わせれば、ソフトバンク社長の孫正義氏が93億円とダントツだった。
並ぶ「退職金長者」
まず上位陣に、常連のカルロス・ゴーン氏が2位となっている点はいつものとおりだが、かなり顔ぶれが代わっていることがわかるだろう。昨年のランキングでも多かったのだが、いわゆる「退職金長者」の存在だ。
また、ランキングには入っていないが、ホキメディカルの創業者、保木将夫氏に対する20億円の創業者功労金は、辞退している。純利益が50億円に満たない会社だけに、過大な金額と言えるだろう。もちろん、受けていればランキングは一位だった。しかし、このケースは辞退が妥当だったようだ。
トップが高齢化している日本企業の一つの潮流として、この流れは当分続きそうではある。
1 樫尾俊雄 13億3300万円 カシオ計算機
2 カルロス・ゴーン 9億8700万円 日産自動車
3 松本實蔵 8億5000万円 フジプレアム
4 野沢克巳 7億7000万円 アールビバン
5 隅田和夫 7億5600万円 平河ヒューテック
6 冨沢晶三 7億3500万円 メガネトップ
7 三津原博 6億5100万円 日本調剤
8 里見治 6億1700万円 セガサミーHD
9 稲葉善治 5億9700万円 ファナック
10 ハワード・ストリンガー4億6600万円ソニー(敬称略)
これらは会社から受けている報酬だが、ランキングには現れないもうひとつの収入がある。