「サイボーグ」化する老人、「姥捨山」と化した病院

あなたが望む終末期とは?

 ではどうすれば制度を維持しながらより人間らしい終末期を迎える事が出来るのであろうか。

 「死を恐れるのは人間の本能である。だが、死を恐れるよりも、死の準備のない事を恐れた方がいい。人はいつも死に直面している。それだけに生は尊い。そしてそれだけに、与えられている生命を最大に生かさなければならないのである。それを考えるのがすなわち死の準備である。そしてそれが生の準備となるのである」

 松下幸之助氏の「道をひらく」の一節である。

 いつかはくる自分の死と向き合い、限られた命の中で自分の使命を全うせよ。それでこそ生も充実する、といった事であろうか。

 自然の摂理を受け止め、健康な時期をより充実させる。そして不要な医療の縮小は、制度の維持、本当に救うべき命の救済に繋がる。

 まずは自分がどのような終末期を送りたいか、どのような人生を送りたいかを家族と話し合い共有する事から始めてはいかがだろうか。もちろん、延命措置をしてでも長生きしたいという結論も良いと思う。ただ自分の人生を見つめ直し、自分で決断する事。そうすれば自然と日々の生活にも光が差し込んでくるかもしれない。

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