歴史的な買い場が到来したパリ不動産

稼働率も高い

 仮に50平方メートルの物件を50万ユーロでローンを組まずに購入。自分がフランスに滞在しない時に家具付きで賃貸に出した場合、賃貸家賃を1泊130ユーロに設定、稼働率が60%と見込めば、次のようになる。
◆家賃収入2万8080ユーロ
◆共益費マイナス2400ユーロ
◆固定資産税マイナス 800ユーロ
◆その他諸税マイナス1000ユーロ

 これらを通算して実質利益2万3880ユーロ、実質利回り4.77%となる。このケースは稼働率を60%で計算しているが、実際には80%で回ることはよくあるという。

 なぜこれほどの利回りが確保できるかと言えば、さきほどのリフォームでも触れたが、日本のリフォームという概念を超越しているところに一つの理由がある。その部屋だけを綺麗にする日本的リフォームでは、マンション全体の老朽化や水周りのトラブルなどで結局資産価値が下がっていくのを止められないが、このようなパリのマンションは、手が入る度にグレードアップし、資産価値が高まっていくのだ。

 「この時代のマンションはドーム式の屋根と螺旋階段、堅牢なファサードが特徴で、使われている石の材質やコンクリートが極めて良いのです。現代ではこんなに良い素材を使えませんし、このように凝った建築は採算が取れないのでされません。こうした建物なら永遠に持ちますよ」と嫁兼氏が説明する。

 そうした物件が制度改正の影響もあり、数十年に1度の値下がりを見せているのだ。

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