弁護士がリングで闘い続ける理由

死と隣り合わせでもやる

 柔術で100戦以上のキャリア、総合格闘技のアウトサイダーでも3戦全勝と、今が心技体と乗っている。だが、格闘技には大きなリスクが付きまとう。先日プロレスで、ノアの三沢光晴さんが試合中に亡くなったように、リング上の世界は改めて危険と隣り合わせであることを再認識させられた人も多いのではないか。

 今年2月、堀さんは練習中にタックルした拍子に、相手の尾てい骨が右目にあたり、眼底骨折。病院への入院も余儀なくされた。そして今でも「右目が完全には動かないんですよね。打撃になると少しツラいかもしれません」という。

 ちなみに昨年10月に指の骨折、同12月にはギックリ腰、そして今回のけが。困難が連続して降りかかっている。体の無理が利かなくなる30代を迎え、しかも一国一城の主でもある。もうリングを降りてもいいのでは? 普通の人なら、そんな言い訳を自分で正当化してしまいそうだ。

 「単なる勝ち負けや、お金儲けだけが目的で格闘技をやっているわけではありません。試合を通して、その先に目標があるからできるし、そのための苦しい練習も我慢してできるんです」

 次の試合は8月。堀さんはすでに週4日のジムワークと、週1日の筋トレを再開した。眼底の骨折は完治ではないにも関わらずだ。それは、リングに上がり続けなければならない理由があるからだ。(つづく)
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勝ち名乗りを受ける堀鉄平さん

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