【月刊闇株新聞】JAL再上場はこう活かすべき

もともと儲かる会社だった

 JALは破綻時に各方面に多大な負担を負わせたのですが、再上場に際して政府だけが巨額の利益を得るのは不公平だという議論があります。しかし、政府が投入した公的資金を株式市場の再上場で回収することは、極めて常識的なことです。米国でも2009年6月に経営破たんしたゼネラル・モータース(GM)が2010年11月に早くも再上場し、500億ドルの公的資金を投入した米国政府が回収を始めています。

 JALの場合は破綻時に中途半端な民事再生法ではなく会社更生法とし、前述したような債権カットと徹底的なリストラを行い2000億円以上の営業利益を生み出す「高収益会社」に生まれ変わりました。確かに債権カットで金利・返済負担が大幅に軽くなったことや、累積損失で今後長期にわたって税負担が無くなることもあるのですが、「ちゃんと経営すればもともと儲かる会社」だったことも確かです。

 つまり破綻させて政府がスポンサーとなったので、思い切ったリストラが出来て短時間に劇的な体質改善につながったのです。今回のJAL破綻・再生・再上場のプロセスをみて強く感じたことはまさにこのポイントなのです。

 破綻まで行かなくても日本には業績が不振の企業が数多くあり、それが日本経済や株式市場の不振につながっています。特にかつての優良企業が見る影もなく低落しています。そこを立て直さなくては日本経済の発展はないのです。

 そして世界には今回のJAL再生で政府(企業再生支援機構)が果たした役割を担う民間のファンドがあります。

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