「原発事故、二度目はどうする?」変わるPTの概念

原発事故は二度と起きないと断言できるか?

 木村昭二氏が2009年5月、ゆかしメディアで「カントリーリスクといえば、一般的には、政治的に不安定であるとか、マクロ経済の面で脆弱であるといったことがまずイメージされると思います。日本は平和ボケしていますが、北朝鮮リスクを負っていることは間違いないと思います。また、日本には大震災のリスクがあります。そのようなリスクのある国に資産や事業など全てのものを置いておくことが果たして得策なのでしょうか?」とコメントしていた。

 税金や安全に対する基本的な考え方はそのままだというが、その約2年後に東日本大震災が発生し「その後の大津波、原発事故までは私も全く想定していませんでした。私のリスクに対する考えが甘かったのかもしれません」という考え方から、新しい著書「終身旅行者PT」を執筆するきっかけになったという。

 「自然災害リスクを織り込む範囲ですが、いつ来るか分からない災害に過度に備えることも非効率でしょう。しかし、日本の場合は自然災害リスクの中でも地震、津波、原発リスクについては被害想定が大きいものですから極力対処しておく必要があるでしょう」

 世界の原子炉の12%にあたる54基が、狭い日本の国土に集中しているなど、日本は災害リスクが凝縮された国家であることを再認識する必要はある。二度と原発事故は発生しない、と言い切ることができるだろうか。

 そうなれば、命はもちろんのことだが、日本国内だけで資産を持っていれば価値の棄損も大きい。不動産、国内株式、債券など日本から資金は流れていくことになるだろう。そうした意味でも、資産の分散も必要となる。

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