「裏」で数億円稼いだ有名哲学者の投資指南

コスモポリタンな20区

 ベルヴィルに代表される20区は、地下鉄駅から降りるとそこがパリと思えないほどコスモポリタンな街だ。目に飛び込んでくるのは大型中国系スーパーや北アフリカの家庭料理クスクスの食堂やトルコ式屋台。いかにも不法移民が多そうなエリアだが、意外にも「この場所はOK」だという。

 「ベルヴィルは確かに不法移民も多いが、彼らの多くはそこで働いていて、住んでいる人は多くない。コミュニティーとしては固定せず、様々な人種が混ざり合っている。産業のためにそこにいる移民は、街が変貌していくと同時に動いていく」

 しかし、哲学者に言わせれば「パリ中心部から離れ地下鉄のアクセスが良くないので、特に外国人が短期貸しも視野に入れて投資をするには、不便な場所」なのだ。

 最後に13区。パリの東寄りで、隣接する12区のベルシー地区と対岸の13区東側で再開発が急激に進んでいる。かつては何もない荒れ果てた場所だったが、パリで最も新しいメトロ14号線沿いに開発が進み、フランス新国立図書館がランドマークだ。新興の住宅地なので不法移民の問題はなさそうだ。

 ただし「このエリアはモダンな高層の建物が多く建ち、古き良きパリの味わいはまったくない。外国人が『パリらしさ』を夢見てマンションを買う場所ではないだろう」という。

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