「この頃の若社長」(2)アニソン命

大手企業からも共同開発の誘いが

 受注仕事では、出来あがったものはクライアントのものになってしまうが、F社長の会社の場合、基になっているものが自社の製品(=財産、とF社長は表現する)だから継続的に儲かっていくわけだ。もちろん、作ったものが優れているから、大手企業から共同開発の声がかかるようにもなった。

 しかし、その場合でも、仕上がったものの権利は自分の会社が持つという条件で契約しなければアライアンスに応じないというから徹底している。それだけ自社の能力と技術に自信をもっているわけだ。そして、F社長は、まだ30歳になったばかりにもかかわらず、たいした凄腕ということになる。

 確かに、F社長は知的で話も論理的でスムーズ。けれど腰は低く丁寧で、人当たりもとてもいい。ぎらぎらした印象はまったくなく(今どきの若社長は、一般的に、いわゆる野心満々というタイプは稀だが)、質問に対しては大げさな口振りや身振りを加えず素直に応える。

 そして、わたしは取材の後、いつものごとく、F社長とフェイスブック友達になり、彼をフォローするようになった。

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