NHKアナ逮捕、震災被害による浦安プチセレブの悲哀?

売れるなら売りたい

 夫妻にとって、近い将来起こる可能性もあると言われる首都圏直下型地震も、浦安が放射能のホットスポットに比較的近い ということはまったく気にならない。確かに目の前の空き地が宅地になる計画は一時中断になっているが、その先には相変わらず東京湾も見える。マンション自体は駐車場とエントランスに影響が出たぐらいで、その修復工事もとっくに終わっている。

 しかし、皆から「いいな」と言われないのだけは耐えられない。少しばかり、人から羨望の目で見られたいとの欲求があるのだろう。加えて大規模開発のため、同じマンションで同学年の幼児が80人。保育所はどこも一杯で入所は絶望的だともいう。

 浦安市の財政は液状化で支出が膨らみ、保育施設の充実などは後回しに。2人は最近、「売れるものなら売りたい」との希望を持っているという。しかし、値崩れは当然なのだが「どれだけ安くしても買う人がいないと言われる」とのこと。

 まさに、人生で一番大きな買い物に失敗したことになる。

 マンションから駅までのバスの本数も少ないため、夫は今日も早起きして駅まで自転車を走らせ、満員電車に揺られて都心へ出勤する。電車の窓から見える海辺を見ても、夫妻の気持ちは沈みこむ。

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