関西電力、社員給与16%減も「まだ甘い」の声が

危機感ない現役社員「先輩社員がうらやましい」

 その理由は、「安定供給に支障が出るといけないから」(八木誠社長)という。これに対して鉄道会社の関係者はこう指摘する。「技術職を対象外としたリストラはできる。間接部門の人員数が適切か、仕事のやりかたを見直す余地はないのか。コンサルにみてもらってまで取り組んだとは聞こえてこない」。

 だから、電力値上げでコストアップになる企業にとって、関電がまだ甘く見える。
2期連続で7000億円を超える最終赤字を計上するパナソニックの40代社員は、こう話す。「うちが日本で払う電気代総額は数百億円。その半分強が関西。リストラ、コスト削減に取り組んでも、電力料金の値上げで相殺されてしまう」

 値上げによる関電の増収効果は、家庭向けで年1309億円、企業向けで2333億円という。来年7月以降、福井・高浜原発3、4号機が再稼働することを前提にしているため、高浜原発が稼働できなければ、再値上げが必要になる恐れもある。それだけに、「より踏み込んだ、一段のコスト削減策を準備しておいたほうがいい」(関西財界関係者)との声も。

 こうした中、生活費の圧縮に悩む冒頭の40代関電社員は、将来を心配し始めている。「退職後の再就職あっ旋も、これからは難しくなるかもしれない。関連会社などで第二の人生を楽しんでいる先輩たちがうらやましい」

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