米著名ヘッジファンドが苦笑するAKB48の日本国債CM

日本は浪漫財政のマイルストーン

 まず世界の先進国全体を見渡した場合でも財政が安定している国は皆無だ。そして、世界の債務規模は1年あたり10%以上も増加。しかし、人口は1.2%、実質GDPは3.9%にとどまっている。


カイル・バス氏
 バス氏の講演資料では、そうした状況の中で最も財政のバランスシートが悪い日本を「浪漫財政のマイルストーンだ」と称している。積み上がった債務残高は1000兆円に達しており、そして「ルビコン川を渡った」と、後戻りできない日本財政の現状を伝えているのだ。

 また、これまで日本国債が守られてきた「3つの神話」として次の要素が列挙されている。【1】国内保有が93.8%【2】絶対に破たんしないという安心感【3】最後は個人投資家が支える。

 【3】の部分で個人投資家向けPRに出てきたのが、AKB48たちであるということだ。 金融機関が買い支えできなくなれば、個人が買い支えをするようになるが、出生率を死亡率が上回るなど高齢化が思った以上に進行。高齢者が家計の資産取り崩しを行うようになると、若者が支えなければならなくなる。

 だが、ファンダメンタルでは、中国での自動車メーカー各社の売上が落ちるなど、貿易赤字がすでに状態化しつつある。経常赤字への転落は待ったなしである、と現状にも触れている。

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