30億円の霊園開発に「イチローファンド」?

 米大リーグのNYヤンキースとの契約が決まったイチロー選手(39)。過去に新潟県の国立公園の敷地内での大規模霊園開発で、なぜか名前が出てきた。開発後の売却金額は30億円にもなると言われたが、暗礁に乗り上げたまま、地元の開発会社とイチロー選手のマネージメント会社の役員との間で訴訟に発展し、現在も係争中だが、その控訴審判決で近く決着する。

開発は5億円、売値は30億円


妙高市観光協会の公式サイトより
 霊山として、日蓮が佐渡に流刑になった際に、常にこの山を見ていたという、現在では観光地としても知られる新潟県の妙高山。ここに、ある宗教法人の霊園を開発しようという話が地元で浮上した。この宗教法人では新潟県に霊園を持っていないこともプラスに作用すると思われ、最終的には30億円で売却できるという算段となった。

 ただし、そこで問題となるのが資金で、竣工するまでの資金は用立てなければならなかった。リターンこそ莫大だが、開発のために5億円以上の資金調達が必要というハイリスクな開発案件でもあった。2008年になり、「グランドヒルズ妙高」という開発目的の会社を設立し本格的に事業計画は動き出す。あとは資金だった。

 そこで地元の開発業者に救いの手を差し伸べたのが、イチロー選手のマネージメント会社IYIの役員だったのだ。イチロー、弓子さん、一弓(愛犬)の頭文字を取った命名で、版権管理や、弓子夫人のサロン経営、不動産運用などの事業を展開してきた。

 IYIで不動産投資を担当する役員と名乗る男性が、「イチロー」の名前を出してきたことで、話はトントン拍子に進むかに思われた。

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