「村上ファンド」を支持したアコーディア株主

レノ参戦でTOB価格超え

 発行済み株式の20%~51%の取得を目指した今回のTOB。募集価格は8万1000円と、5割以上のプレミアムがつけられていたのだが、募集価格には達することはなかった。TOBでも火がつかない不人気ぶりだが、レノの大量保有が発表されると、TOB価格を超えてしまった。

 そして、レノは投資家たちの期待通りに、アコーディアに対して2つの要望を表明を行ったのだ。一つはPGMとの交渉のテーブルに着くことを要求したもの。そして、もう一つが株主還元に関するもの。こちらが、アコーディアの株主に評価されたようだ。

 「株主還元策の継続的な実施および明確な基準の策定をお願いいたします。昨年12月3日に発表された貴社中期経営計画にて連結の配当性向90%を目処とする旨発表されておりますが、配当性向を高めるだけではなく、フリーキャッシュフロー(貴社事業計画上は年間100億円レベル)を最大限に活用して、PBR1倍(または貴社が割安だと考えるレベル)までは自己株取得を徹底的に行っていただくといった骨太な株主還元策を実施されることを希望します」

 配当性向はもちろんのことだが、自社株買いを求め、これに対してアコーディアは「当社が置かれた状況において、合理的な選択肢であると認識しております」と賛成。

 加えて「自己株式取得に際しては、減価償却費及びのれん償却費から必要な設備投資などを控除した投資若しくは借入金返済のためのバッファーとして確保可能な資金、又は、当社が中期経営計画でお示ししているアセットライト手法により確保可能な資金等を充当することがありうると考えております」としている。

 株価も一時は8万3800円まで上げた。

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