日本版ヒュー・ヘフナーを目指す米国人

ようやく行き着いた答え

 「今は円高(昨年取材時)だし大変です」と、苦笑を浮かべるが、いったい、なぜこんなにも多大なリスクを背負って、オーガニックカップルに血道を上げるのだろうか。

 「現在、お店で出来合いの物を買って家族や恋人とすぐに簡単に食事ができるというCMなどが流れていて、それを当たり前のように受け入れています。例えばドレッシングなどは、簡単に手作りすることができるのに、スーパーで買うのが当たり前になっています。コンビニに行けば、すぐに温かいものが手に入ります。でも、本当の団らんとはそういうものでしょうか?」と疑問を呈した。

 さらに「ファストな食べ物には添加物なども含まれていますし、そもそも恋人同士や家族が調理を楽しみながら関係性を深める時間を奪われているんです。大企業にとって都合のいい便利さなどを、ハイ、そうですかと受け入れるわけにはいかないというのが根本にあります。また、欧米でも日本でも、男性目線で作られたプラスチックのようなジャンクなポルノに対し方向性に疑問を持っていました。もっとオーガニックで自然な男女の在り方というものを私自身が求めていました」と付け加えた。

 ごく日常的な部分で抱いたシンプルな疑問がこのアイディアの発端だった。

 そしてまずスタートの段階で、ある有名なセクシータレントとそのファンのための小さなディナーパーティーを企画した。タレントはクラッシイなドレスに身を包み、男性陣はスーツで正装。オーガニック食材のイタリアンのフルコースディナーでテーブルを共にし、最後はタレントの弾き語りコンサートで締めくくったという。その優雅な時間は「素晴らしい思い出になった」と参加者から、大きな評価を受けた。

 このときの「セクシーで美しい時間」を形にできないか……と考えた。そして、たどり着いたのが、「WEBサイト」と「自費出版での大型書籍」だ。

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