吉原ソープランド「影の支配者」逮捕で全て解けた謎

 東京・吉原で最大級のソープランドグループ「サンワールド・ホールディングス」の一大摘発事件で、陰で牛耳っていた名古屋在住の信用組合愛知商銀の前理事長らがこのたび、組織犯罪処罰法違反の疑いで警視庁から逮捕された。暴力団の関与もなく、いまさら事件化した事に対して、不自然な見方が出ていたが、どうやら、本当の狙いはここにあったようだ。

賃料として受け取っていたオーナー


写真は本文と無関係
 「いまさら大規模な摘発は不思議ではありましたが、警察は最初から、このお金の流れに強い関心を持っていたように思います」

 業界の事情通はこのように語る。サンワールドは「オレンジグループ」と呼ばれる8店舗を経営し、2010年からの約3年間で100億円の売り上げを計上したとして、会長、社長ら従業員を含めて39人が売防法違反の疑いで逮捕されるという大事件となった。

 警察による会長、社長の取り調べでは、物件の土地と建物の管理会社のことを、かなり突っ込まれていたようだ。

 その土地・建物のオーナーが不動産管理会社「T」。つまり、愛知商銀の前理事長の会社ということだった。

 登記簿上では、平成21年から所有権が8店舗中の7店舗で移転し、譲渡額は7店舗で十数億円に上ると見られる。金融機関は、通常は貸付は行わないが、登記簿によると、愛知商銀が約9億5000万円を融資している。

 会長、社長の公判で、前理事長は不動産賃料として、月あたり一千数百万円を受け取っていたことが検察官から明らかにされている。

 もちろん、賃料というのは名目であり、警察当局はここに目をつけていた。

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