アンタッチャブルな契約?
会長は対人関係で疲れて兄に経営を降りたいと伝えたという。しかし、カリスマ性のある兄の説得を前にして「断れなかった」という。公判では、数億円とも言える兄からの借りがあることも明かされた。
また、最近では、兄弟で話をしなくなったことも明らかにされた。その翌年の21年に、愛知商銀の前理事長に所有権がわたっている。平成元年から保有してきた権利を譲っているのだ。
それでも、ソープの経営は続けることになっていた、ということも公判で明らかにされており、ある種の二重権力構造が働いていたことになる。
雇われ社長は取り調べの中で「Tという名前は警察の方から聞いて初めて知った」とも語っており、兄弟のみが知るアンタッチャブルな面だったことをうかがわせてもいる。
前理事長は地元名古屋では、遊技業チェーンで大成功を収めた在日社会での大物だとされる。不自然な事件だとも言われた今回の巨大ソープランドグループいっせい検挙の裏側には、こうした事情があったようだ。