日本生命、保有株20%の売却先はETF

2年かけてETFへの売却目指す

 金融機関の評価厳格化の流れから、2012年3月期、財務の健全性を表すソルベンシー・マージン比率(支払い余力)の計算において、株式保有リスクをより厳しく見積もることになった。ソルベンシー・マージン率は200%を超えれば健全とされ、日生の場合565%あるが、計算式の変更により、日生、第一、住友、明治安田の4大生命の中で、最低となった。

 財務を補強するために昨年秋、日生は海外投資家を対象とする劣後債を20億ドル(約1600億円)発行。その劣後債に対するS&Pの格付けは、期待より一段階低くなった。

 レーティングが低いと将来的な資金調達に悪影響を及ぼす。だから、まずは株式保有率を2割は下げなければならない。選別などできないから一律で売る。ただし、市場で一気に売るのでなく、2年かけてETF(上場投資信託)に売却する――。

 日生は、全上場企業約3500社のうち、約700社でトップ10内に名前を出している。うち約300社ではトップ5に入る。総額50兆円もの資産を運用し、そのうち1割強が株という日本最大級の機関投資家である。

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