「1億円は客じゃない」【スイス資産家夫婦殺害事件】

消えた300億円の行方は

 別の業界関係者は「パフォーマンスが落ちても、謝れば許してもらえることもあります。ただ、霜見さんはそんな性格じゃなかった上に、あんな派手な生活をしていたら、恨まれるのは当然だと思いますね」という。

 かつてのような運用益が上がらず、しかし、自身の派手な生活は維持しなければならなかった。何か焦りのようなものがあったのだろうか。

 本人だけではなく、夫人まで殺害される大きな事件にまで発展してしまった。まるで恨みの大きさを象徴するかのようだ。ただし、不可解なことは殺害してしまっては、投資した資金が一生返って来ない可能性が高くなるということでもある。

 というのも、霜見さんは投資家の資金を集めて、自身がサイナー(名義登録者)として、投資を行っていた可能性が高いと見られる。つまり、「きちんと分別管理されていたかどうかも怪しい」(前出の関係者)ということだ。

 しかもすべての投資資金は累計で「一部の報道に300億円というのも見たが、まんざらウソ話ではないでしょう」(同)という。すべてを知っているのは、霜見さんのみ。

 そう考えれば、表に出てきてほしくない資金もあったという可能性も否定できない。容疑者が逮捕直後に自殺を図ったことなどを考え合わせれば、あり得ない話ではない。

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