南青山3丁目「地上げ物件」落札者は「村上ファンド」だった

 東京都心部で地上げ騒動などがあったとされる「南青山3丁目」の約2500平方メートルの一等地を競争う入札が行われ、旧村上ファンド系の不動産会社が落札したことがこのたび分かった。

衆院議員が脅迫されたアノ土地


青い部分がUR占有地で、茶色が共有地。 これまでは、いびつな形が嫌われてきた
 都内でも指折りのスタイリッシュな街並みである南青山3丁目の青山通りに面した一等地に眠る約2500平方メートルもの土地。現在は駐車場や、未使用地、私道などが入り組んだいびつな形の広大な土地が「空き地」となった、異様な光景が現在でも続いたままとなっている。

 権利関係が複雑な上に、入口の間口が狭くなっていたり、飛び地があったり、広いのだが、いざ開発をするとなると困難な地形ではある。虫食いの土地には民家が残り、壁にツタが巻きつき、ちょっとしたバリケードで囲まれるなど、「闘いの跡」らしい生々しいものを感じさせる。

 ここの地上げの歴史は80年代のバブル期から続き、その後は外資系企業の手に渡り、「地上げ」報道がなされ、2006年には、衆議院予算委員会で質問した糸川正晃委員(国民新党)が後日、脅迫されるという事件にまで発展した、いわくつきの物件だ。

 それだけにこれまでの入札は困難を極めており、入札なしで終わってきた。だが、東京の不動産市況にバブルが到来しそうな雰囲気の最近、ついに落札者が現れたのだ。

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