驚異の医学部合格率を誇る「灘」高校の実態とは

進路指導はなし?

 ここまで読むと なぜそんな学校の進学率が異常に高いのか、疑問に思う読者の方々も多いのではないかと思うが、やはり多くの灘校生はなんだかんだ言って、高い目標を持っている。

 灘校生という看板を背負っている以上、大学入試でもある程度の結果を残す事が周囲からも期待されている 。人間、期待されればそれなりに応えたいと思うものである。そういった環境であえて永遠に自由に甘んじてニートになる人間は数少なく、
身近な部活の先輩の合否が耳に入ってくる 高校2~3年になるとみな自然と勉学に打ち込むようになる。

 灘校は生徒のお尻を叩いて突き上げるような事はしない。(強いて言えば) 自然に勉強したくなる環境づくりを行う。ちなみに、これも面白い事に、いわゆる「進路相談/受験相談」 なるものはほぼ存在しない。

 3者面談なるものが一度だけあった気もするが、確か筆者自身欠席したような記憶がある。勉強に打ち込みだすと打ち込み出したで競い合って頑張るのが灘校生である。たいていは、関西圏で東大受験対策として有名な進学塾などに通い追い込みをかける。

 中高合わせて6年間 教師や両親に強要されて面白くもない勉強をしてきた学生と、好きなことを自由にやった後で自発的に勉強に打ち込みだした学生。どちらが強いかは言うまでもない。

灘の強さは
1 理数系を中心に暗記に頼らない論理力の高い生徒の選別
2 個々人の個性を伸ばす自由かつ合理性を重んじる校風
3 周囲からの期待や競争の中で自発的に芽生える向学心

 この3つが合わさって構成されるのであろうと思うがいかがだろうか。

 なお自由なる青春の日々を謳歌し過ぎたがゆえに、大学受験が近づいても立ち直れない人間もいる事はお察しの通りである。

 入学をご希望されている親御さんはそのあたりも含めてご検討頂ければと思う。
最後になったが、あくまで一卒業生としての個人的な感想および体験談を綴ったものであり、正確性を保証するわけではないので悪しからず。

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