会社経営をしていて頭の痛い問題の一つが経費の削減だ。とくに事務所や店舗などを借りている場合、毎月払わなくてはならない家賃の負担は経営に重くのしかかる。月20万円の家賃で会社の営業利益率が5%だとしたら、その家賃分を賄うためには毎月400万円の売り上げを立てなくてはいけない計算だ。そこで急速に伸びているのが家賃削減代行サービスで、そのパイオニアともいうべき存在なのが、2003年10月に稲葉一雄氏が起業したフューチャーアシストである。
13%の値下げに成功した例も
フューチャーアシスト稲葉一雄社長
そのように語る稲葉社長が削減交渉で得る成功報酬は、カットできた月額家賃の「6割×12カ月分」、つまり7.2カ月分を基準としている。たとえ1カ所当たりの面積が狭くて多少家賃が安かったとしても、先の歯科クリニックのように数がまとまれば大きな報酬につながる。
稲葉社長は依頼者と大家さんとの人間関係を大切にし、周辺の相場を調べたうえで、無理な交渉は行わないように努めており、これまでトラブルになったことは一度もない。そうした自信があるからなのだろう、家賃が下がらなければ報酬を請求しない成功報酬制をとっている。
ただし、アベノミクスでインフレ期待が強まって不動産価格が上昇するようになったいま、家賃削減代行サービスは逆風を受けているように思える。