オリンパス元社長のマイケル・ウッドフォード氏が、日本のHOYAの取締役就任に興味を示していることが11日わかった。HOYAの創業家出身者たちから組織された「HOYA企業統治適正化委員会」の働きかけで、ウッドフォード氏は代理人を通じて「就任を考えたい」と前向きにコメント。同会では、21日開催の定時株主総会に向けて、有力な代表執行役候補者として指名委員会に推薦するという。
株主提案理由の全文記載が4分の3認められる
HOYAと同適正化委員会をめぐっては、ここ数年、株主提案によって株主総会の場で戦いが行われてきた。その内容や結果を巡っては、いくつか訴訟にも発展し、すでに、東京地裁(谷口安史裁判長)による原審の決定では、会社が掲載を拒否していた4つの株主提案理由のうち、3つの表現については、株主提案どおりにそのまま全文を掲載することを命じている。
残り1つについても、同適正化委員会が東京高裁の抗告審に抗告しており、審尋が開かれている。
同地裁で提案理由の全文掲載が認められた理由としては、現経営陣に都合の悪いとされる事柄について、一方的に要約したり編集したりすることが問題である、ととらえているからだ。
ウッドフォード氏と言えば、オリンパスの社長だった2011年に、同社の10年以上の長きにわたる粉飾決算を明るみにしたことでも知られる。