「東電病院を東電本社に」の仰天株主提案

 26日に開催予定の東京電力の株主総会だが、仰天の株主提案がなされている。それは東電本店を売却して東電病院に本社機能を移せというものだ。どちらとも同社を代表する超優良資産の上に、売却価値の高い本店、売却が困難な病院の実情を踏まえており、注目を集めそうだ。

消えた本店売却プラン


東電本店
 東電は売却前の段階の簿価で、1兆2000億円以上の不動産資産を保有していた。まず、帝国ホテルの隣にある、東電本店(千代田区内幸町)はその中でも最も価値のある優良資産だ。路線価などを参考にすれば、400億円ほどになる。敷地面積5200平方メートル、地上15階、地下5階建てで、延べ床面積は 約6万平方メートル。

 福島第一原発事故が発生した一昨年2011年には、当時の西澤俊夫社長が、本店ビルを一時的に証券化して特定目的会社に売却する方法を検討している。ことを明らかにしたことがある。もちろん、こうしたプランが現時点では実際に陽の目を見ることがなかった。

 というのも、ビルの敷地内には、屋上の無線通信鉄塔などをはじめとして、通常のオフィスビルにはない特殊な設備構造となっていることもある。電力会社ならではのもので、電力の安定供給の拠点基地の役割を行うためだ。

 いくら一等地とはいえ、売却をする意思はないようだ。だが、それ以上に東電病院(新宿区四ツ谷)はやっかいな存在でもある。

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