「東京大油田計画」に挑むユーズ

目標は全国各地で回収ステーションの展開

 プロジェクトの目標は、飲食店や小売店などに家庭から出た廃食油を集める「回収ステーション」を、17年までに東京を中心に2000カ所設けること。「それが実現すると毎月500㌧の廃食油の回収が可能になります。その廃食油を全てVDFに再生できれば、東京そのものが油田に変わり、一気に循環型社会へ移行します。VDFはエコツアーのバスの燃料や、野外イベントの発電機の燃料として需要が高まっています」と染谷社長はいう。

 現在の回収ステーションの数は200カ所で、月の回収量は約5㌧。回収ステーションの参加店は月1回の回収費などとして年間1万円の費用をユーズに支払う。しかし、廃食油を持ってきたついでに買い物などの利用をしてもらう機会が増えたり、環境問題に取り組む店としてリピート率の高いファンがついたり、コスト以上のリターンが期待できる。そこでユーズではオフィシャルサイトで各回収ステーションを積極的にPRするなど、広く社会に対する情報発信力の強化を進めている。

 「セブン&アイ・ホールディングスと交渉して、6月30日までイトーヨーカ堂の曳舟店に回収ステーションを設けてもらっています。予想を上回る回収量があって、ここで成功すれば、他のお店やセブン-イレブンでも回収ステーションの設置が進み、目標の達成へ大きく前進する可能性が高まります。また日本郵便との話し合いも進め、郵便局での設置も検討してもらっています。ちょうどいまブレイクスルーの寸前といったところなのです」

 そう語る染谷社長の最終的な夢は、東京だけでなく回収ステーションやリサイクルプラントを全国各地に設けて、VDFの「地産地消」を行えるようにすること。そうしていくなかプラントの販売などでユーズも成長して「ウィン・ウィン」の関係を構築できる。環境問題に関心のある皆さん、ぜひお近くの回収ステーションに廃食油のご持参を。

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