栄光社長の報酬は「高すぎる」
栄光、進学会、増進会の三社会を毎月持って話し合っていたものの、この関係もすぐに崩れてしまった。
進学会によると、栄光は簿価純資産8000万円の企業を6億円で買収しようとしていたが、この企業が増進会社長が個人的に3500万円の融資を行うなど、半ば私的なものであるというのだ。さらに、近藤氏は報酬アップを毎回のように切り出してきたことも、両者の溝を深めることに。
近藤社長の年収は約7200万円。塾業界関係者は「上場企業といっても、業界によって違います。1億円以上もらうにふさわしい業績を出したり、ふさわしい企業規模であったり、ということになりますが、我々の業界で、近藤社長の年収は平均の3、4倍にあたります」というのだ。他の取締役についても30%の増額を要求したそうだ。
こうなると、過去もあぶりだされる。
栄光は11年3月に本社ビルを15億円で購入しており、この事実も隠した上で、株の取得を要請していたことも昨年に判明した。そのため、ガバナンス強化のため、進学会と増進会からお互いに役員を派遣しようということで共同提案で話がまとまった。
しかし、昨年の株主総会の直前になり、業務提携関係も一方的に破棄。栄光は増進会との共同歩調を取ることになった。総会では進学会側は「議決に疑義あり」として、議決権行使書の閲覧を要求するなどしていた。
戦いは激しくなっていくと思われたが、それに比べて今年の総会の提案は緩い。その一つには、学習塾業界の中長期的な展望が大きく影響しているようにも見られる。